らっしー&シナモン(らっしなもん)の飼い主Aです。
昨日、久しぶりに頭が痛くて、鎮痛剤を飲んで気づきました。
「あれ?片頭痛治ってる・・・?」
実は私、24~25歳の頃から片頭痛で悩まされていました。
毎日平均3時間の残業、月5回の夜勤をしてきたのですが、もう毎日くたくたでしたね。
定時に帰れることがないので、定刻が何時何分か覚えていないスタッフがほとんどでしたね。
超過勤務申請の時に「あれ?定時って何時でしたっけ?」ってやりとり、毎回してました笑
片頭痛のため頭痛薬を1日のmaxの量を超えて飲みながら働いている自分に「人の健康問題うんぬんの前に、自分が不健康…」と思ってましたね。
休みの日は寝てるか病院を受診しているか・・・😂
とはいえ、働き方を見直すきっかけってなかなかないですよね。
私も今の場所以外で働く自分を想像したことすらなかったんです。
とにかく、ひたすら頑張り続けるしかないと思っていました。
30歳を過ぎて、本格的に頭痛クリニックで治療を始めたのですが、片頭痛の予防薬で眠気が出るため、治療の継続ができませんでした💦
それからは「1日に2回まで、最大でも3回まで」と書かれている頭痛薬を1日4回飲んで働いていました(←こういう言うこと聞かない医者、看護師いますよね)
月の半分以上(おそらく20日程度)は頭痛薬を飲んでいて、頭痛薬がないと不安になるくらい。
頭が痛くない日の方が珍しく、「あれ?今日頭痛くない!おかしいな、でもやったー!」という感覚でしたね。
頭が痛い自分が、自分。
頭痛くない自分は、異常・・・ってどういう神経してるんだ。怖い。
仕事は休めない、患者さんは待ってくれない、残業は避けられない、スタッフが休めば代わりに出勤という日々を過ごし、ついに吐き気に襲われ、起き上がれなくなりました。
さすがに、「あ、だめだ、このままじゃ死ぬ」と思いましたね。
そして、改めて頭痛クリニックの扉を叩いたわけです。
そこで言われた驚きの診断名が、『薬物乱用頭痛』でした。
薬物乱用と言われると、穏やかではないですよね。
私の場合、仕事を休まないように、仕事中に痛みで患者さんに迷惑をかけないようにと、頭痛薬を立て続けに飲んでいたのが原因です。
片頭痛で苦しむ同僚は多く、頭痛薬でだましだまし働いている状況はよく見受けられました。
片頭痛に悩まされる看護師さん、多いんですよね。
つらいですよね、わかるわかる。
私が頭痛クリニックの先生から受けた説明で得た片頭痛に関する知識、実際受けた治療についてまとめておこうと思います。
薬物乱用頭痛とは、頭痛薬を過量に使用した人が、3ヶ月以上にわたり月に15日以上頭痛を起こした場合の診断名だそうです。
(私の主治医いわく、臨床では月に10回以上頭痛薬を飲んだら薬物乱用頭痛として扱っているそう)
ざっくり言うと、頭痛薬を慢性的に使用することで、痛みを感じる閾値が下がって(痛みを感じやすくなって)しまい、頭痛薬の使用過多によって、さらに頭痛が起こってしまう状態です。
「仕事中に痛くなりそう」という不安から、予防的に頭痛薬を使用するような心理的な要因も大いに関わっていると思います。
つまり、頭痛薬を飲んでもすっきり痛みが取れず、常に痛くて、少しの変化でも痛くてたまらない…という永遠に抜け出せないループにはまっている状態ですよ。
片頭痛っていうのは、発症すると数時間から72時間持続すると言われているので、丸3日ずっとつらいってことも起こり得るんですよね。
ちなみに日本人のおよそ8%が片頭痛もちだし、薬物乱用頭痛に関して言えば、女性が70%らしいです。
気圧の変化、睡眠状況、光や音などが影響するんですよね、つらいです。
あと、緊張状態からの緩和で片頭痛が起こることもわかっています。
看護師は常に患者さんの命と最優先に、張り詰めた気持ちで働きます。
その緊張状態が緩和したとき、つまり『終業』の頃に症状が起こるんです。
嫌ですよね、ほっとしたときに苦しいなんて。
まず、『薬物乱用頭痛を抜け出す』ことから始まるわけなんですが。
つまり、頭痛薬を飲む頻度を減らすっていうことです。
え、痛いのに痛み止め飲めないの?不安・・・(涙目)
私は市販薬のイブ、ロキソニンあたりを月に20回は軽く飲んでいました。
片頭痛の予防薬というのもあります。
私が使用していたのは、カルシウム拮抗薬のロメリジン(ミグシス®)という薬でした。
それでも効果が不十分で、抗てんかん薬のバルプロ酸(デパケン®)を併用しました。
かつては、バルプロ酸で治療していたとき、眠気があったため継続できなかったのですが、治療のためだと思って再開することにしました。
いざ再開してみると、仕事が忙しすぎて眠気は出ませんでした笑
2種類の予防薬で治療が始まりましたが、効いてきたかな?と実感するまでに、1ヶ月はかかったような気がします。
この効いたかな?という実感は何で評価したかというと、頭痛薬の使用頻度です。
予防薬を飲んでも、どうしても頭痛は起きてしまう。
そんなときのために、片頭痛に特化した頭痛薬が処方されていました。
それが、トリプタン系薬剤のスマトリプタン(イミグラン®)と、ナラトリプタン(アマージ®)でした。
スマトリプタンは、片頭痛が始まったらすぐに内服して、効果が不十分な場合は2時間以上空けて追加してOK!
調べてみると1日4錠まで飲んでいいことになっていますが、私は怖くて多くても2錠までにしていました。
ちょっとフワフワして気持ち悪さが出る場合もありましたが、すーっと効いてくれる感じがしました。
ただ、痛みが強く出てからは効果が不十分なことが多く、飲むタイミングが少し難しく思っていました。
効果時間は短くて、またぶり返すことも・・・
ナラトリプタンは、4時間空けたら追加投与OKで、1日最大2回までとなっていました。
じんわりと効き始めて、比較的長い間効果があったと思います。
そして、スマトリプタンのようなフワフワした気持ち悪さは感じませんでした(あくまでも私の場合の体験談)
主治医と話して、私はゆっくりと長く効いたナラトリプタンを使うことになりました。
ナラトリプタン、私には効果てきめんでした!
ロメリジンで治療を始めた最初の1週間は、頭痛薬を9回飲んでいました。
処方されていた頭痛薬が切れるので、すぐに再診することに・・・
翌週から予防薬はバルプロ酸も併用することになり、頭痛薬の使用は7回に。
極力、頭痛薬の使用は避けようと思い、少し我慢していた部分もあり、頭痛薬の使用は週に1~2回と激減しました。
いつ片頭痛が起こるのか記録をとっていたのですが、『夜勤明けの日』と『長時間労働をした日』、『生理前』に苦しんでいることがわかりました!
自分の傾向がわかってきたのはいいのですが、1ヶ月ほど経って、人員不足により夜勤回数が増えまして・・・
夜勤が増えてから症状が悪化して、安定して週に3~4回頭痛薬を使用するように。
そこで、主治医も治療経過が思わしくないと感じたようで、「気候や生理はあなたの努力ではコントロールできない。コントロールできることと言えば、夜勤くらいです。」と言われました。
そうです。夜勤をするな、ということですね。
私の場合、睡眠のバランス(夜勤の寝不足と夜勤明けの寝過ぎ)が片頭痛を誘発していると言われていたので、そりゃそう言われますよね。
ここで師長に治療経過を報告し、「夜勤を免除するか減らすように言われました」と伝えました。
が、師長は「ふーん。そうなんだー。」とmaxの回数の夜勤を入れられ続けましたね。
ストレスでヘルペスもできたし、免疫も落ちて親知らずも痛み、私の休日は病院の受診をはしごして終わることも度々。
あ、だめだこりゃ。と思いました、さすがに。
今度は副師長に相談したら、「夜勤免除なんて申請されたら、私と師長さんがまず部長に呼び出されるでしょうね。なんでそんなことになるのか、とか。で、そのあとあなたが呼び出されると思います」と。
え???
私は一生、薬物乱用頭痛から抜け出せないのでしょうか。
私の人生は、師長や副師長が部長に呼び出されないためにあるのでしょうか。
謎ですね。
働き方改革とか言う前に、管理職の人間性をまず養った方がよくないか?
諦めて、そのまま片頭痛とともに暮らしたわけです。
コントロールできない症状で、私はがんじがらめになっていました。
職場の理解が得られず、薬物乱用頭痛は治せない…と、主治医も受診の度に頭を抱えていました。
苦しくても働くのが当たり前という環境に身を置いていたので、あの頃の私は感覚が麻痺していたと思います。
ですが、ここで私の治療に動きがあります。
年齢のことを考慮して、そろそろ妊活をしたいなぁ…なんて考えるようになった私。
妊娠したら夜勤しなくていいし、仕事行かなくてよくないか?と気づいたっていうのもあります。
主治医に相談して、催奇形性があるため、片頭痛の予防薬(ロメリジンとバルプロ酸)は中止することになりました。
予防薬を中止することで、片頭痛が悪化することも考えられたし、不安はありました。
幸い、予防薬を中止した次の月に妊娠がわかりました。
主治医も「え、もう妊娠したの?」とびっくりしていましたね。
主治医から、頭痛薬は今までのナラトリプタンは妊婦には使用したくないと言われ、信頼と実績があった頭痛薬と決別することになりました。
文献で調べたら、ナラトリプタンは妊婦が使用してもいいことになっていたし、産婦人科の医師は内服していいと言っていました。
ですが、片頭痛に関しては脳外科の主治医を信じることに。
ここから、片頭痛のときは、アセトアミノフェン(カロナール®)に変更になったのですが、まあわかっていた通り、全然効きませんでした。
妊娠を機に夜勤免除してもらえると思った矢先に流産してしまったので、結局夜勤はずっとやりきりましたね。
こんな私ですが、今では片頭痛持ちだったことを忘れるくらい良くなりました。
頭痛クリニックは、妊娠してから通っていないので、現在は治療を受けていません。
結局のところ、どうして片頭痛がよくなったのかというと、流産後に休職したことが大きいです。
というか、それがすべてですね。
片頭痛が起こる頻度を記録したことで、私の片頭痛は、夜勤と長時間労働(緊張状態からの緩和)、生理によるホルモンバランスの変化が原因だったとわかりました。
生理前のホルモンバランスの変化はどうしようもないので、この時期だけ月に1~2回は頭痛薬(市販薬)を飲みます。
今までの月5回の夜勤がなくなり、朝6時に起きて、夜22時には眠る生活は、社会人になって初めてです。
生活環境が整ったこと、緊張感の強い仕事を休んでいること、ストレスフリーな暮らしをしていることで、10年モノの片頭痛から解放されました。
とはいえ、病院がなくなるわけではないので、看護師に夜勤はつきものだったりします。
(もちろん、クリニック勤務やパート勤務など働き方によっては夜勤はありません)
私は今、仕事を休んでいることで片頭痛が治るという経験をしたので、もう夜勤は絶対にできないというのが本音です。
流産の経験はつらかったのですが、10年苦しんだ生活を見直すきっかけになり、結局、そのつらい経験が今の私を助けてくれています。
看護師というのは、人の命を守り、心を救い、安心できる環境を与える尊い仕事です。
でも、自分の心身が万全な状態でなければ、他人への手厚い看護などできません。
まずは、自分。
自分を大切にした先に仕事があるんだと思います。
身を粉にして働くのはやめました。
こうして、私の薬物乱用頭痛との戦いは終了しました。
交替勤務で働く看護師は、特に片頭痛に悩んでいる人が多いと思います。
ストレスもすごいし、生活も不規則だし仕方ないですよね。
緩和ケアの考え方ですが、『痛みは他人にはわからない、主観的な症状』なわけです。
自分にしかわからない苦痛なのだから、やっぱり、自分で自分を大切にするほかないんです。
本人が『痛い』と言えば、痛みがあると捉えるのが緩和ケアの基本です。
私の場合、上司に「主治医から片頭痛の治療が思わしくないので、夜勤を減らすように言われた」と訴えたとき、残念ながら上司の理解は得られませんでした。
これは、言ってしまうとパワハラ、モラハラになるだろうけれど。
こんな経験をした私だから言えることがあります。
どうしてもつらいとき、働く環境を思い切って変えてみるのもありだと思います◎
働く場所は、自分で選ぶんです。
自分の痛みにしっかり耳を傾けてほしいんです。
私のように苦しい10年を過ごして、何が残るんでしょう。
辞めるタイミングを探しながら働くくらいなら、自分の心と体が少しでも楽に働ける場所を探した方がよかったと思ってます。
看護師って自己犠牲の精神が強い頑張り屋さんが多い。
だからこそ、意識して自分の苦しみや痛みを知ろうとしなければならない。
人には決して気づいてもらえませんから。
というか、人に気づかれるようになったときでは、もう遅い。
でも、それくらいボロボロになったときに、気づいてくれる人がいるってことは大事ですよね。
見て見ぬふりをするような人だけで、自分の周りを固めちゃいけないんです。
優しい人たちに囲まれて働きたい。
冒頭でもお伝えしましたが、働き方を見直すきっかけってなかなかないんです。
きっかけがあったときって、すでに自分がボロボロに傷ついていたり、何も感じなくなった時だったりするんです。
できるなら、そうなる前に自分で自分を助けてあげてほしい。
看護師として、まずは自分の尊い命と人生を大切にしてほしいなと思っています。
ただの片頭痛の記録だったのですが、なんだかスケールが大きい話になってしまいました💦
とにかく、苦しい環境で働く看護師さんが1人でも減ることを祈っています🙏
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